最近見た不思議なシェルスクリプトを直してみた
この記事は Shell Script Advent Calendar 2016 19日目の記事です。18日目の記事はryuichiuedaさんの SHELQ: 怪しいシェル芸キュレーションサイト でした。
他の様々なプログラミング言語において良い書き方と悪い書き方があるように、シェルスクリプトにも良い書き方と悪い書き方があります。しかし特にシェルスクリプトの場合は不慣れな人がかなり悪い書き方をしている様です。そこで、幾つかの例を見ながら良い書き方と悪い書き方を比べてみます。
ディレクトリについて再帰的に処理をする
悪い例
ls -R | awk '{がんばる}' | 処理
ls -R
を使うと再帰的にファイルをリストアップすることができます。ということはこの情報を使えば階層の深いファイルについても処理をすることができますね。やった!
良い例
find . -print0 | xargs -0 処理 find . -exec 処理 + (あるいは\;)
良く考えてみて下さい。ただ再帰的に処理をするためだけにわざわざ気合を入れてawkでパースする必要があるなら誰かが便利な道具を作っているはずです。こういう場合はfindを使います。findを使えばファイル名や種類、更新日時など様々な条件でファイルを列挙することができます。ただし、xargsに渡す際に空白入りファイル名があると変な場所で区切れるので所定のオプションを付けてヌル文字区切りにすると良いです。
特定のコマンドを実行しているプロセスを列挙する
悪い例
ps ax | grep 実行ファイル名 | grep -v grep | awk '\$0=\$1'\\
ps ax | grep [実]行ファイル名 | awk '\$0=\$1'
多分何も知らないと最初に挙げている、 ps ax
の結果を実行ファイル名でgrepしてからgrepを弾くようになると思います。しかし実は、一文字に[]を付けても正規表現として内容が変わらないことを利用して自分自身を弾くこともできます。
良い例
pgrep 実行ファイル名
プロセス番号以外も取得したいのであれば二つめに挙げた方法を使うのが良いと思いますが、欲しいのがプロセス番号であればpgrepという正にこのために使うものがあります。 (実は少し結果が変わる場合もありますが多分pgrepの挙動が好ましい場合がほとんどだと思います。) さらにプロセスをkillしたいのであればpkillもあるので便利です。環境によっては無いかもしれません。今時のLinuxとmacOS以外の環境のことは知りません。
番外編 (timeout)
ところで僕がこの処理を見たスクリプトは定期的に走らせて前回と同じプロセスが走りっぱなしであれば強制終了するというものでした。これでもいいんですが、単にタイムアウトの処理をやれば済むのであればGNU coreutilsにはtimeoutが入っています。簡単ですね。
時系列ファイル名の最新版取得
ファイル名が「%y%m%d%H%M%S.log」とかで時系列につけられているファイル群のうち、一番新しいのを取得する方法です。ログとか取ってると良くありますね。
悪い例
exprを使ってがんばる
もうどうやるのか知りたくもない感じです。80行かけると書けるらしいです。ソートでも実装するんでしょうか。
良い例
sort -nr | head -n 1
ソートするだけです。日時は単に数値としてソートしても結果は同じですよね。GNU sortは優秀で、バージョンなど色々な方法でソートできるらしいです。実は数値と辞書順しか使ったことはないですが。
20日目はkunst1080さんの記事です。