Emacsでポモドーロ・テクニックを回す話
個人的に数年使っている仕事術であるポモドーロ・テクニックを、もっと長い間使っているテキストエディタのEmacsと組み合わせて行なう話を書いてみます。
ポモドーロ・テクニックとは
ポモドーロ・テクニックはクリエイティブな仕事をする人に向いていると言われている仕事術です。ポモドーロ・テクニックではもの凄く単純化すると以下の様なステップを繰り返して仕事を行います。この説明は大雑把なだけではなく内容に誤りがあるかもしれません。より正確な説明は本家のWebページやYouTubeのビデオを参照してください。
- やる仕事を紙やテキストエディタなどに列挙する
- 一日の最初にそれぞれの仕事の所要時間や順序などを決める。通常25分区切りの仕事枠で何個必要かを決める。
- 個人的にはそもそも各タスクを25分で実行できるくらいまで細分化する方が良い様にも思います
- タイマーを使って上記のスケジュールに従って25分区切りで仕事を実行する
- 25分枠が終わったら5分くらい休憩する
- 4回に1回程度、25分くらいの長めの休憩を入れる
- 一日の最後に自分の時間の見積りなどを振り返る
org-modeについて
org-modeはEmacsのメジャーモード及びそこで用いられる軽量マークアップ言語です。org-modeを使うことでmarkdownの様に軽量なマークアップで文書を作成でき、HTMLやLaTeX文書など様々な形式に変換することができます。実際このブログの文書もorg-modeで作成しています。 この辺りの詳細は以下の記事も参照してください。
この記事ではorg-modeの機能のなかでもタスク管理の機能を主に用います。org-modeの基本的な機能は知っていることを前提としています。また、org-modeでポモドーロ・テクニックを回すためのEmacsパッケージである org-pomodoro がインストール済であることを仮定しています。org-pomodoroはpackage.elでインストールすることができます。
タスクの列挙
さて、ここから具体的にEmacsどの様にポモドーロ・テクニックを回すかを説明していきます。
まずタスクを特定の .org
ファイル (特定のディレクトリ以下のファイルなど複数ファイルでも良い) に列挙していきます。org-modeでは見出しにTODOと付けることでタスク管理を行うことができるので、タスクに対応した見出しを作っていきます。細かい使い方は例えばこの記事を参照してください。
工数の見積り
次に列挙したタスクを時間に割り振っていきます。ここで使うのがorg-agendaです。まず下準備として org-agenda-files
に .org
のファイル名のリストを指定することで、org-agendaがタスクを列挙した .org
ファイルを読み込む様に設定します。ディレクトリを指定するとそのディレクリ以下のファイルが対象になります。詳しくは例えばこのQiita記事を参考にして下さい。
始めにどの日にどのタスクをやるのかを決めていきます。これは一週間の最後や最初にやると良いと思います。 M-x org-agenda
でorg-agendaのコマンド一覧を出し、 t
を打つことで全てのTODOを列挙することができるので、そこで C-c C-s
打ってどの日に実行するかを決めます。詳しくは例えばこのQiita記事を参考にしてください。
次に一日のどの時間帯にタスクを実行するかを決めます。これは一日の最初か一日の終わりにやると良いと思います。 M-x org-agenda
でorg-agendaのコマンド一覧を出し、 a
を打つことでその週のTODOを列挙することができるので、適当なタスクを選んで C-c C-s
打って、どの時間に実行するかを決めます。
仕事に取り組む
では実際に仕事に取り組みます。ここで25分間集中して一つのタスクに取り組みます。適当なorg-agendaのエントリー上で M-x org-pomodoro
をすることで25分のタイマーを開始することができます。より詳細なorg-pomodoroの使い方はREADMEを参照してください。org-pomodoroでは25分間のタスクが終わると5分間の休憩用のタイマーが自動で始まるので、その間は休憩を取ります。また、org-pomodoroでは4回に1回長い休憩用のタイマーが始まるのでそのタイミングで長い休憩を取ります。
工数の見積りについて振り返る
一日の最後に各タスクにどれくらいの時間がかかったのかを振り返ります。これはorg-agendaの画面で v R
を打って各タスクの所要時間のレポートを見ながら行うのが良いと思います。