2024年 年頭の何か
TL;DR
- 多分 Twitter/X にはほとんど居ないよ
- 自前の Mastodon インタンスを立てたので、多分そっちにいるよ
- OSS は良いぞ
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明けましておめでとうございます。2023年は技術寄りな方向で色々と思うことがあった年なので、ちょっと書いてみます。
2023年の個人的2大ニュースは以下の二つです。
- 吹き荒れる ChatGPT 旋風
- Twitter 死す
どちらも正確には2022年に始まりましたが、実質的なインパクトが十分大きくなったのは2023年と言って差し支えないと思います。
吹き荒れる ChatGPT 旋風
今更説明不要だと思いますが、 ChatGPT は2022年にリリースされ、2023年に大いに盛り上がりました。ChatGPT やその他の生成AI自体に対しても色々と思うことはありますが、技術屋としての使い方の面では 書こうと思えば頑張って書けるものを自動で生成させる 使い方が圧倒的に有用だと思います。例えばソースコードを与えて適当な説明を生成させたり、XMLやJSONの例や自然言語での説明からスキーマを生成させたりする用途ではかなり上手く動作しますし、一発では満足行く結果が生成されなかったとしても、それらしいクエリで上手く軌道修正してくれます。それに加えてweb検索の機能もあるおかげで、必要なライブラリなどを探して使い方を提示するくらいまでやってくれたりします (正直なところドキュメントに直接例がないと上手く動かないことも多いですが)。
個人的にこの 書こうと思えば頑張って書けるものを自動で生成させる が一番効いているのは各種設定ファイルです。この中でも特にEmacsのinit.elなどの設定ファイルの記述でお世話になっています。早いものでEmacs歴は15年くらいありますが、基本がLisperではないのでマクロを使った上手い記述に相当不慣れです。また、Emacsは枯れているとはいえ各種パッケージの栄枯盛衰が少なからずあり、少なくとも数年に一度くらいのペースで環境を更新しないと一昔前の環境を使っていることになったりします。実際比較的最近まで、10年程度前に使い始めたinit-loaderによる設定ファイル群をちょっとづつ改変しながら使っていましたが、少なくとも2023年現在で主流の方法ではないと思います。
何が言いたいかと言うと、要するに ChatGPT を使ってEmacsの設定ファイルの大幅な見直しをやった、ということです。実は2023年の初頭に実験的に ChatGPT による init.el 生成を始めていて、実用レベルの設定が得られたので今ではメインの環境を ChatGPT が作った init.el (に結局自分で手を加えてもの) で設定します。正確には org-mode で文芸的に設定を書いていたりするんですが、その辺りの詳細は来たるべき一般公開版を作るときに色々やると思います。
この辺りの経験を踏まえて一つ思うことに、 ChatGPT は設定の難しい OSS の利用障壁を下げている、と言えそうな気がすることがあります。個人的な感触として、商用のツールと自由なライセンスで公開されている (特にCLIベースの) OSS の良くある違いに、UI/UXやデフォルトの設定の使いやすさ・わかりやすさがあると思います (かなり多くの例外あり)。特に不親切な公式のドキュメントと古いものも多いブログ記事とstackoverflowなどを上手く組み合わせて調べないと書きたい設定が書けない、ということは少なくないと思います (Emacsのこと だけ を言っている訳ではないです)。その辺りの事情を考えると、自然言語を入力として、一発では動かないかもしれないそれらしい設定ファイルを生成できる ChatGPT という「汎用設定ファイル生成器」は OSS の利用促進に一役買うような気がします。
Twitter 死す
2023年はTwitter関係でも重大ニュースが多くある年でした。Twitter社は2022年にイーロン・マスクに買収され、2023年にはTwitter社の消滅、Xへの名称変更、様々な機能変更などかなりの変化がありました。元々TwitterはAPI利用などの面でかなり自由で、10年くらい前まではそれこそRSSを使うことで、Twitterアカウントが何もなくても「購読」することが可能だったり、RSSの廃止後もAPIを使った独自クライアントが数多くありました (Emacs的にはtwittering-modeとか)。近年では恐らく収益化の影響で、Twitterの公式クライアント以外からの閲覧・投稿は徐々に制限されていきましたが、それでも以前のような「自由」な雰囲気が残っているように感じていました。少なくともアカウントがなくても投稿が見れる程度の自由はありました。
一方で2023年の夏頃(から?)の、各種API規制やアカウント凍結などの動向はこれまでとは大きく異なるように思います。正直なところ、不具合以外の原因で (無料版では) 十分にタイムラインが閲覧できない ことがあった SNSをメインで使うつもりにはなれないです。身近なところでも(確か複数件)不可解なアカウント凍結がありましたが、通常利用で凍結の恐れのあるSNSもメインでは使いづらいです。と、まあ文句を言っているだけでは何にもならないので、秋頃からは基本的に以前からアカウントを持っていた mstdn.jp にひきこもり、Twitterは閲覧も投稿もほぼしない人になっていました。
とはいえ自前で色々なことができるFediverse、というよりOSS全般の利点を最大限活かそうと思ったら自前でサーバを立ててしまうのが最適なので、年末年始を使ってMastodonのインスタンスをmastodon.maswag.netに立てて再移住しました。というのが今回の重要なご報告です。mastodonサーバを立てた件についても記事を書くかもしれないですが、サーバ設定の面でも前述の ChartGPT にはある程度お世話になりました。(公式のドキュメントが十分詳しいので、そこまで必要ではありませんでしたが)
ちなみにニュース関連の投稿を丁度良くやっているアカウントが見つからなかったので、代わりに RSS feed でニュースを見るようになりました。EmacsのElfeedをメインのRSSリーダとして使っていますが、この設定や他の方法との比較でも ChatGPT にはお世話になりました。
ついでに、この一件でOSSを使うある種の安心感を改めて感じたので、SATySFiで簡単なスライドを組んでみたりもしてみました。
で?
結局のところ一番重要な情報は、Twitter には多分いないのでMastodonを見てくれ、ということです。MastodonならRSSでの購読も可能なので、MastodonはやっていないがRSSは見る、という人はそっちからでも。逆に Twitter でも通知があれば見るので、他に連絡先がない人は安心してDMやmentionを使い続けてください。脱Twitterで一番の問題は広報用途なので、広報専用アカウントとして使うようになるかもしれません。